その他労務相談
弊社では就業規則に「業務上の必要性がある場合は、所定労働時間外に就業を命じることがある。」と定めていますが、命じていなくても残っている社員がいたり、許可なく自宅に持ち帰って仕事をしている従業員がいます。この場合でも割増賃金を支払わなければいけないのでしょうか
労働基準法上の労働時間とは「使用者の指揮命令下にある時間」とされます。そのため命じていない残業や許可がない持ち帰り残業については、原則として指揮命令下にある時間とは評価されず、必ずしも割増賃金の支払い義務が生じるとは限りません。
ただし、この「使用者の指揮命令下にある時間」は、実態に応じて判断されます。許可のない残業を黙認している、業務量が所定労働時間で終わらない量を与えている等、客観的にみて指揮命令下に置かれたものと評価できる事情がある場合、指揮命令下にあると解され、割増賃金を支払う義務が発生します。
このため使用者の指揮命令下にない残業をさせないことを周知しておくことが重要です。(例:許可制の手続きを周知徹底させる、許可のない残業は曖昧にせず都度注意を行って中止させる等)
あわせて業務量についても、労働時間に対し適切かどうか定期的に確認するようご留意ください。
2026年3月9日
参考判例
アルゴグラフィックス事件(東京地裁令和2年3月25日判決)
IT企業で働く労働者が自宅に持ち帰って行った作業時間について、労働時間に該当するか争点となった事件。上司宛に休日や深夜等の時間帯に業務に関するメールが多数送られていたにもかかわらず、上司側が仕事をやめるよう指示を行った事実が無かったため、当該業務内容を黙認したものとし、労働時間に当たると判断された事例
更新日:2026年03月27日
